第1章

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 それが、手術を受けて潜在的に備わった女性器を成形したと知った途端。琥珀は、二度とぼくに会おうともしなくなった。彼は男の子のぼくを気に入っていたようだ。  才能のない、男の子でもなくなったぼくは、琥珀がいなければ自分が何のために生きているのかわからなくなった。本当に、弱くて愚かだったと思う。  死を意識したとき、自分が本当に何を望んでいるのか、何となく見えた気がした。そんな時に、突然現れた私と同じ目をした希理には、特別な運命を感じたんだ。  だから、私達は出会ってすぐにセックスした。  女の体になって初めて受け入れた男が、希理だった――――。
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