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この世には、スカイブルーに出会えぬまま一生を終える人も少なくない。運命の伴侶と出会うことは奇跡である。だからこそ、目を引く美しいオーラなのだろう。
その奇跡を、妹はあっさりと手に入れたのだ。それも若い年頃のうちにスカイブルーを視たのだから、妹はとても恵まれている。
「お姉ちゃんは、視えない? まだ視たことがない?」
ロイと出会ってしまった日から、顔を合わすたびに妹が聞く。姉より先に運命と出会ってしまったことを気にしているのだろう。私はふっと微笑んで、何度目かわからない言葉を告げる。
「視えないよ。スカイブルーなんて」
それが私と妹の、最後の会話だった。その数日後に、あっけなく妹はこの世を去ってしまったのだ。
その日、久しぶりの休暇を得た妹は、用事があるからと出かけて行った。しかしいくら待てども家には帰らず、夜が更けて探しにでかけ――見つけてしまったのだ。
住宅区画から工業区画へ向かう途中の、人気のない暗い道。一日に車も数台しか通らないだろう道路に、妹が寝転がっていた。
「……レイラ?」
どこで寝ているの。酔っぱらっているの。そう声をかけようとして近づき、気づいてしまった。
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