見える景色

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いつも通り就業時間になると皆んなが集まってくる。変わらない毎日だ唯一変わりが有るとしたら新入社員が入ってきたことだ。眩しい笑顔に目が絡む。 ひと通り挨拶が済み私は自分のデスクと向き合い始めた、すると部長が鬼の形相で私の方に向かってきた毎日の日課だ、私はいつも通り下を向きながら反省をした。周りも見て見ぬ振りをする。 昔は見返してやると思っていたが今は自分の事が嫌いになるだけだ、ふと顔を上げると部長はスッキリした表情をしていた。憂さ晴らしなことぐらい分かっている、部長に謝り私はデスクに戻った。 お昼になり外に食べに行くことにした定食屋に入りカウンター席に座り食事をしていると横の席の男性が声を掛けてきた『君は人では無いな』私は意味が分からず怖くなりお会計を済ませ足早に店を後にした。 仕事をしていると今度は社長から呼ばれた、今週休みを削って仕事をしてほしいと言われた。これはお願いではなく命令なことくらい分かっていた、私には拒否権が無いからだ。嫌だと言おうものなら人格否定をされる、私は了承の合図をした。 社長にお金が発生するか聞いたが濁された、いつもの事だから慣れている。 今日も残業を終え帰路に着いた、時計を見ると夜中の2時を指していた。明日も8時には就業が始まるのでお風呂に入り寝た。アラームの音と共に目を覚ます着替えを済ませ会社に向かうまた同じ景色の始まりである。
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