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が・・ ふと気付くと。
教室で、春香がやって来る。
「隆、今日は部活無いんでしょう。帰りは一緒に帰ろうよ、ちょっと話あるし」
これは、最後の授業が終わったホームルーム前の記憶。
(えっ、さっきのトラックは? 夢だったのか??)
それから経験した記憶が全て繰り返された・・
「隆、あんた、裕里香に私と付き合っているって言ったでしょう?」
全く同じ問いかけだ・・
「ああ、聞かれたから、そう答えた・・」
春香は腰に手を当てて目を釣り上げている。
全く同じリアクション・・ そして・・
「誰が付き合っているって?? いつあんたと付き合うって言った??」
(・・・・このままじゃ、同じ事になる)
「バカじゃないの! もう知らない!」
踵を返して春香は走り出そうとした。
僕は思い立って、彼女の腕を掴んだ。
「何よ? 離して!!」
「春香、それじゃ、ちゃんと言うよ。僕と付き合ってくれ!」
春香は大きく目を見開き、耳まで真っ赤になっていた・・。
そして、手を振り払おうとしている。
「な、何を言っているの??」
「春香、ちゃんと答えてくれる」
春香の腕の力が弱まる。
「・・・・いいわよ」
そして、俯きながら・・。
「やっと言ってくれた。ありがとう・・」
その時、目の前の横断歩道を大型トラックが物凄いスピードで通り過ぎて行った。
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