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ノエルは呆気にとられながらも、アイロン台に手を付いた。
情けない表情を消し、かすかに強張った表情でルイスを見据える。
「ルイス・クロフォードさん。貴方に依頼したいことがあります」
「オデット・ディノワールは自殺したと聞いたが、君は納得してないのだね?」
ルイスはノエルの手をアイロン台から払い退け、しわのとれたシャツを畳んでいく。
それを見つめながら、ノエルは俯きがちに言った。
「オデットは自殺なんかしていない。絶対にありえない」
曇りのない声に、ルイスはうっすらと口元に笑みを浮かべた。
「……話を聞かせてもらおうか、ノエル君」
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