2章・誰が彼女を殺したのか?

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ルイスは肘掛椅子に腰かけた。 正面には、木製の椅子とそのすぐそばに暖炉がある。 「この肘掛椅子は、思慮深いオデット嬢がミラー氏のために用意したものだろう。だが、そちらの椅子よりも暖炉から遠ざけておいてあるのは、不自然だとは思わないか?」 ルイスは立ち上がり木製の椅子に近づいた。 その下には、絨毯がへこむように小さな丸い跡が四つある。 振り返り、肘掛椅子の足へ目をやる。 絨毯に残っている形状は、肘掛椅子に着いた四つの足の形とよく似ていた。 木製の椅子から離れ、肘掛椅子を持ち上げる。 壁際にそれを置くと、絨毯に敷いてある赤いスカーフをはぎ取った。 そこに隠されていたのは、うっすら残った血痕だった。血を水で拭きとろうとしたためか、カビがちらほらと生えていた。 (それでも消えず、肘掛椅子で血痕を隠したのか) ルイスは膝を折り絨毯に目を凝らす。 「……これは」 赤茶けた血痕の上には、麻色の細かいゴミが点々とついていた。
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