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 3年付き合っている恋人の和巳は、忙しいと言っては、中々会ってくれない為、ストレスを溜めている。永井深雪。 「和巳、もしかして浮気をしているんじゃ?」  親友で主婦の由紀とレストランでランチを食べながら、相談する深雪。 「ねぇ、男が浮気をする時って、私に原因があるの?」 「そんなことないわよ、深雪可愛いし、しっかりしているから、大丈夫よ、何か事情があるのよ、きっと。心配いらないわよ」 「そうかなあ?」  ある日、深雪は内緒で和巳の家を見張ることにした。自転車に乗り、どこかへ出掛けていく和巳の姿を目で追っていた。その後をずっと追いかける。和巳の自転車が止まったのは、なんと工事現場だった。デスクワークしかやったことのない和巳の姿に驚かされるものがあった。一生懸命慣れない工具を使って働く和巳の姿に改めて惚れ直していた。深雪は安心して帰宅する。  しばらくして和巳からメールが入る、 「深雪、話があるから会いたい。いつもの喫茶店で待っている」  深雪はすぐ喫茶店に向かった。和巳は、本を読みながら、コーヒーを飲んでいた。すぐ深雪に気がついた。鞄から小さな箱を出し、深雪の前に置いた。  深雪は箱を開けて見ると、入っていたのは、誕生石のブルーサファイアだった。 「深雪、遅くなってごめん、給料安くて指輪買えないから、工事現場でバイトして買ったんだ。俺と結婚してください」  頭を下げる和巳に感動する深雪。 「はい、お願いします」  外の青い空は二人を祝福するかのようにすっきり綺麗に晴れていた。
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