これからもいつまでも ―最終章―

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当時の恩を返すために、俺はアマイラが魔界に残ることを許可した。 と言うのも、天使たちはアマイラが不要だと言っていたがいてもらった方が何かと都合がいいらしい。だからアマイラを殺さずに生かし、"俺からの条件"を飲んでもらった。話が通じる奴らで助かったと今でも思ってる。 「俺の許可なくここから出るなよ。お前がここにいるのを知ってるのは俺と兄ちゃんだけなんだ。魔界が混乱するかもしれないからな」 「わたくしを知っている魔物なんてごく僅かしかいないからそんなことにはならないと思うけど、いいわ。わたくしはあなたに従うとしましょう」 「ならいい。たまに顔を出してやる、その時は外に出ることも許可してやるかもだから大人しくしてろよ?」 「はいはい」 プリンを食べ終えて立ち上がり、俺はアマイラに背を向けて歩き出そうとする。 でも、アマイラがその歩みを止めてきた。 「リオシス、本当に覚悟は出来ているのね?」 直接的な言葉ではなかったが、それは止めさせるには十分な力があった。 背中を向けたまま答える。 「もちろん」 「………なら、わたくしはもう何も言わないわ。精々これからを心から楽しみなさい」 「言われるまでもねえ」 覚悟なんてあの時から出来ている。天使と対話した時から、今も俺の気持ちは変わらない。揺るぎはしない。 だって、俺自身がそう決めたことなんだから。
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