宿題をやろう!

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 夏休み終了間際。毎日コツコツ宿題をやった少年の、熱い戦いは終わった。 宿題が終わり、今は優雅にゲームをしながら新学期を待っている。宇宙人達も故郷に帰って行き、世間も何も言わなくなった。  ある日、少年の家に先生がやってきた。玄関で母親と一緒に話している。 「あれー?! 先生どしたん? 今日家庭訪問じゃない!」  少年が2人の間に割って入ると、先生は苦笑いを浮かべる。 「近くに寄ったからねえ。ほら、少年くん宿題大変だったでしょう?」 「宿題! 宿題ねー…」  思わず宿題のことを言いそうになり、口を手で覆った。おっと言ってはいけない、これは夏休みが終わるまでの秘密だ。だがニヤニヤする表情は隠しきれてなかった。 「えっとねえっとね! 始業式のお楽しみ!」  自分が褒められるところを想像して、照れを隠しきれず少年は自室に戻っていった。 「先生、ありがとうございます」  お礼に有名店の箱菓子を出しつつ、母親は深々と頭を下げた。 「先生のお陰で、今年は宿題を終わらせることが出来ました」  なんとなんと。実は宇宙人を呼んだのは先生! 母親が夏休み前に「うちの子が宿題をしなくて…」と涙ながらに先生に相談したところ、実現したということだ。 「大丈夫ですよ! お母さん、頭を上げてください。少年くんが無事に宿題を終わらせてよかったです。彼らも喜んでます」  先生は携帯を取り出し、ある写真を見せた。そこには、先生と宇宙人達が肩を組んでカメラに向かってピースサインをしている。 「彼らは宿題をしない子供達を支援する宇宙団体です。やっぱり地球人を動かすにはこれくらいしないと…。今回のことがキッカケでうちの学校の宿題提出率は100%です!」  いや、この学校だけではない…全国の児童の宿題提出率は100%だというのが夏休み明けに判明した。 「お母さんも大変ですよねえ…こっちとしても宿題の数を減らしたいのですが、なかなか…」 「いえいえ…。でも本音を言うと、夏休みは正直キツいですね…」  大人の本音が出たところで、母親は何とか話題を変える。
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