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お茶を淹れ直して、用意しておいたケーキを食べながら話に花が咲く。
地元に戻ったとは言え、わたしはもちろん、つかさくんも加藤先輩と会うのは久しぶりだった。
社会人になると毎日慌ただしく過ぎていく。
つい最近友達と会ったつもりなのに何ヶ月も経っていたり、会話の内容にも“仕事の愚痴”というのが加わった。
「何か時間が経つのって早いよな。俺ら知り合った頃は高校生だったのに」
「加藤先輩なんてもうすぐパパですもんね」
「そうだよー俺イクメンになる予定だから!男の子なんだけどさ、松永たちに女の子が生まれたら結婚させようよ」
「え、気が早いしお前と親戚になるのとかゴメンなんだけど」
「ひどい…」
バッサリ切り捨てられた加藤先輩はショックを受けたフリをしている。
こんなやり取りも親しいからならではだ。
「わたしは賛成ですよ?」
「言ったね!?言ったね?羽織ちゃん!絶対女の子産んでね!!」
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