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ココロはヒカリの頬を両手で引っ張っていると、
再びキズナに怒られた事に理不尽を感じる。
「もう、とりあえず始めるから静かにしててよね?」
そう言うとキズナは男の顔の上で両手を擦り合わせ、小さく何かを呟く。すると、両手が淡い光に包み込まれ、その中から光る雫が男の顔に零れ落ちる。
ポタン。サァァァァァ!!
男の顔は雫が落ちた所からみるみる内に元に戻っていくと、数分もしない内に完治した。
「あ、・・・治った・・・キズナ姉ぇ、ありがとう・・・。」
ユメはホッと息をつき、キズナに礼を述べる。
キズナは、ユメは悪くないでしょ~?とユメの頭を撫で回す。その後方で、
「何度見ても凄いですよねぇ、キズナ姉さん。どこぞの暴力兄さんとは違います。」
「ヒカリ、お前またつねられたいのか?」
「何ですか?やるんですか?次は私も皆の力使いますよ?」
「上等だ。その『お友達』とやらは俺より速く飛べんのか?」
ココロとヒカリが火花を散らしていた。
「ココロ、兄として情けないっすよ?妹の軽口くらい笑って許せる器量は持つべきっす。」
「うるせぇよホシ、妹を仕付けるのも兄の仕事だ。」
「どうせならホシ兄さんか、シン兄さんに仕付けられたいですね、レイ兄さんはちょと・・・、まぁ、ココロ兄さんは論外ですが。」
「ヨオシ、覚悟はいいか?ちょっと今日は激し目に行くぜ?」
ホシが仲裁に入るも二人の熱は収まらない。
ホシがもう駄目か・・・と思った瞬間。
「二人共・・・ケンカ・・ダメ・・・。」
『あ、・・・はい。』
鶴の一声ならね、ユメの一声。
二人は素直に返事をし、互いに頭を下げる。
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