第一章 始まりの善人達

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ココロはヒカリの頬を両手で引っ張っていると、 再びキズナに怒られた事に理不尽を感じる。 「もう、とりあえず始めるから静かにしててよね?」 そう言うとキズナは男の顔の上で両手を擦り合わせ、小さく何かを呟く。すると、両手が淡い光に包み込まれ、その中から光る雫が男の顔に零れ落ちる。 ポタン。サァァァァァ!! 男の顔は雫が落ちた所からみるみる内に元に戻っていくと、数分もしない内に完治した。 「あ、・・・治った・・・キズナ姉ぇ、ありがとう・・・。」 ユメはホッと息をつき、キズナに礼を述べる。 キズナは、ユメは悪くないでしょ~?とユメの頭を撫で回す。その後方で、 「何度見ても凄いですよねぇ、キズナ姉さん。どこぞの暴力兄さんとは違います。」 「ヒカリ、お前またつねられたいのか?」 「何ですか?やるんですか?次は私も皆の力使いますよ?」 「上等だ。その『お友達』とやらは俺より速く飛べんのか?」 ココロとヒカリが火花を散らしていた。 「ココロ、兄として情けないっすよ?妹の軽口くらい笑って許せる器量は持つべきっす。」 「うるせぇよホシ、妹を仕付けるのも兄の仕事だ。」 「どうせならホシ兄さんか、シン兄さんに仕付けられたいですね、レイ兄さんはちょと・・・、まぁ、ココロ兄さんは論外ですが。」 「ヨオシ、覚悟はいいか?ちょっと今日は激し目に行くぜ?」 ホシが仲裁に入るも二人の熱は収まらない。 ホシがもう駄目か・・・と思った瞬間。 「二人共・・・ケンカ・・ダメ・・・。」 『あ、・・・はい。』 鶴の一声ならね、ユメの一声。 二人は素直に返事をし、互いに頭を下げる。
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