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父さんはため息をつきながら書類の山から一枚を手に取ると一瞬で目を通し、数秒ペンを走らせ、素早く判を押し、脇に流して次の書類に手を伸ばす。
「いいかお前達?いくら俺が『ジャッチメント』の人間だからっていっても、何でも許して貰える訳じゃねぇんだぞ?俺がお前達の面倒を見てやれるのも、形式上は『監視』になってるからだ。」
父さんはどこか辛そうに言いながらも、次々に書類を捌いていく。
『ジャッチメント』とは、現在パラトリアスを分ける四つの国が、長く続いていた戦争を収めるために、各国からそれぞれ数名を選出し、四カ国の仲介役を務める為に設立した組織だ。
そして、実際にジャッチメントが設立してからというもの、戦争は一先ずの終わりを迎えていた。
「四カ国の戦争回避の為、各国の戦力、神の能力者を別の国のジャッチメントが監視する事は決定事項で、何か問題があれば『監禁』せにゃならなくなる。俺はお前らをそんな風には見たくねぇんだよ。」
「父さん・・・。」
「だから、目立つ事はくれぐれもしないでくれ、分かったか?」
『はい・・・。』
僕達は他には何も言えず、暗い雰囲気になりかけると、父さんはニヤリと笑い、書類から手を離しパンッ!と叩いた。
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