第二章 八百万孤児院 

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「ヨオォシ!なら早速今回の罰を言い渡そうか!!覚悟はいいなお前らぁ!!」 父さんは場を切り換えるように大声で楽しそうに叫ぶ。 一瞬、部屋に沈黙が訪れ、 『あぁ、ぐっ、っつ、あちゃ、わぁ、えぇ、マジ?、ははっ、ふぅ、ですよねぇー。』 僕達はそれぞれに呻き声を上げた。 皆どこか笑っているのは、父さんの気遣いが伝わったからだろう、父さんはいつもこういう人だ。 「では、まずキズナとヒカリ、ユメは今回は不問とする。 俺の手伝いの後だったし、能力を使った理由もまぁ、仕方ねぇだろ。ユメは被害者だし、能力発動はオートだしな。」 「あぁ、良かった。」 「私達は巻き込まれただけだしね。」 「僕・・悪くない?」 悪くねぇよ、っと父さんはユメの頭を撫でてやると、ユメは凄く幸せそうに目を閉じて顔を綻ばせる。 その表情にヒカリが悶えているがそれは今は放っておこう。 「んで、シン、ホシ、ヤミ、お前達三人には明日から一週間施設の各所全ての掃除当番を申し付ける。」 「はい。」 「まだ軽めで良かったっす!」 「でも掃除は・・・面倒。」 僕は素直に頷き、ホシは右こぶしを振り上げ、ヤミは肩を落とす。 「まぁ、ユメの為にって事だったからな、今回は一週間で済ましてやろう。、次、ミコト、ミカド、レイ。お前達三人は明日ちょっと俺に付き合え。また上からの指令だ。何をするかはまぁ、明日説明する。朝9時には出掛けたいから準備しておいてくれ。」 「え、何この面子、何か捕まえるの?」 「どうせならシン様と一緒がいいし!」 「・・・。」 指令とはジャッチメントが神の能力者を連れて国の問題を調査、解決するようにという物が主であり、先程処理していた書類にでも混じっていたのだろうか。因みに今日のキズナ、ヒカリも指令による外出だった。二人は進んで申し出ていたが。 ミコトとミカドは一応は頷き、レイ兄さんは何やら真面目な顔をしている。珍しい。
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