第二章 八百万孤児院 

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「んあ?親父、俺は?」 最後に残ったココロが首を傾げながら問う。 「あ~、ココロはそうだな・・・、明日近くの森から今年の冬を越せるだけの薪を取ってこい。」 サラッと、父さんは真顔で言う。 「ちょっと待てよくそ親父!?俺だけ罰が重すぎねぇか!?毎年全員でやる仕事じゃねぇかそれ!!」 ココロはあまりの罰にすかさず待ったをかける。 父さんはケラケラと笑い、腹を抱える。 ココロは父さんに似てきてるのかもしれない。 「ははっ、冗談だっての。まぁ、集められる範囲でいいからやってくれや、今年は忙しくなりそうだから早めに薪を調達しときたいんだわ。町で買うこともできるが出費は抑えるに越したことはねぇからな。お前は単純な力なら兄弟一なんだから頼むよ。」 「っつ、面倒だなぁ、ヤミの能力なら一瞬だろうに・・・くそっ。わぁったよ。掃除は俺には向かねぇし。それでいい。」 ココロは不機嫌そうに首を縦に振る。それを確認した父さんはよし、と呟き、再び書類に視線をおとす。 「それじゃあ解散!さっさと部屋に戻って寝ろ。八百万ルールその6、『就寝時間に出歩いていいのはトイレの時だけ』、を忘れるな。破ったら罰が重くなるぞ?」 父さんの言葉に全員が時計を見る。後10分もしないうちに就寝時間だ。 僕達は慌てて、父さんの書斎から出ていき自分達の部屋に戻る。その際、レイ兄さんだけが父さんの書斎に残ったままだったが、あれは、一体どうしたのだろうか?
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