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「あぁ!ダダン!?・・・やりやがったなこのガキ!こんな事してタダで済むと思うなよ!俺達のボスが来たらお前らガキなんかギッタギタだぞ!」
殴られて気絶した男を見て、別の男が叫びだす。
「なんて清々しい程の『他力本願』。何?おじさん達そういう『能力』?笑えるんだけどぉ。」
「そんな能力超嫌だし・・・。」
レイは拳を擦りながら叫んだ男に呆れた顔をし、
ミカドは次だし、と言って指を振って男を降ろす。
「はぁ?何を言って・・・って『能力』!?能力ってまさか、お前ら『神の能力者』なのか!?」
「さぁねぇ~、そうかもしれないしぃ、そうでないかもしれないしぃ。」
「ただの魔術師って事もあるし。」
二人はニヤニヤと笑い、男を惑わせる。
「嘘だろ?こんな町にそんな大物がいるはずねぇ!ハッタリに決まってーーー」」
男が二人に噛みつくように叫ぶ直前ーーー。
「あ、ミカド姉さん、レイ兄さん。『シン』兄さんに頼まれて張ってあった罠順番に回ってきた。ここで最後だけど、・・・その人達も運ぶ?」
路地裏の出口付近、大通りの道から伺うようにこちらをみる二人より小さい黒髪の少年。その少年の片手は空につき出すように伸ばされ、その掌の上には十数人の気絶した大人達が重々になって乗っかっていた。
「なっ、なっ、なぁあ!?お、お前はさっきの!?」
男はまるで闇のように暗い瞳の少年に驚愕していると、ズシャア!!っと、少年は大人達を雑に下ろし、路地裏に入って来た。
「あぁ、『ヤミ』!もう全部回って来てくれたのぉ?助かるぅ~、んじゃあこいつらも頼むよ、もう手が痛くてさぁ。早く終わらせてまた三人で散歩の続きをしよう!」
「一人殴っただけでギブアップとかほんと情けないし・・・、ヤミ、このダメ兄貴に代わって残りも頼むし。後、その散歩うちも入れるし。」
「うん、分かった。」
『ヤミ』と呼ばれた少年はコクリと頷き男達に近寄る。
「や、やめ、来るな!?分かった!俺達が悪かった!!もう人拐いなんて真似しない!だから許し」
「口・・・閉じた方がいいよ。」
その後、路地裏に男達の悲鳴が響き渡る。
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