4人が本棚に入れています
本棚に追加
驚いた部下達は悲鳴を上げて散り散りになり、集団のボスである彼も白髪の少年を解放し、逃げるしかなかった。奴はあのガキを狙っていたのだ。
そしてしばらく身を潜めていると、辺りから次々と部下達の悲鳴が聞こえ、このままじゃまずいと判断した彼は一度町の外に出て、体勢を整えることにした。
「チクショウ、せめてアジトを見つけてから事を運ぶんだった。こんな田舎町にあんな化け物がいるとは・・・な!?」
ザンッ!!!!
男が向かう前方に突如閃光が走り、誰も居なかった筈の道の真ん中に一人の赤髪の少年が現れた。
「見~つけた♪」
赤髪の少年は男の顔を見つめ、ニタァと笑う。
まるで新しい玩具を見つけたように、
「ヒィ!?クソッ、・・・!なぁ!?」
男は少年に怯み、すぐさま元きた道へと駆け出そうとしたが、ある物を見て立ち止まった。
「だ~負けた!!やっぱ直線コースじゃ『ココロ』には勝てないっすね。」
ダンッ!ダンッ!ダダンッ!!
男が見た物、それは一人のくすんだ金髪の少年が建物の壁と建物の壁をまるで重力を無視しているかのように走り、飛び回る姿、そして少年は男の道を妨げるように着地した。
「オッセェなぁ、『ホシ』。俺のが早かったからこいつは俺がやるぜ?」
赤髪の少年はニヤニヤしながら男を見つめる。
最初のコメントを投稿しよう!