序章 依頼人来る

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序章 依頼人来る

東京都太田区の池の上にある 大寺院坂の上 目が回るような急坂があります。 そこへは 電車もバスも いえいえ タクシーでさえ あの坂は登れないよぉと拒否されてしまう そんな急坂の天辺に 蔦の絡まると言うよりも 蔦に侵食された和風の一軒家があって その家の玄関には 小さな木の看板「相談所」と書かれて架かっています この真夏の暑い盛り 午後三時を過ぎたとは言え  この坂を登ってくるなんて狂気の沙汰では? なんて 私なんかは思ってしまうのですが あっ 私 この相談所の秘書をやっている 白鷺 美紀(しらさぎ みき)と申します ええ? なんで あなたのような美人女子大生みたいな素敵な娘がこんなところで働いているか?って あはは 美人かどうかは知りませんが 私 かつて ある事件に巻き込まれて ここの 誠 糺(まこと ただす)所長に救われたため  それから ここで働くことになりました。 そうそう 私 見習いから やっと正規採用なったんですよ
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