13人が本棚に入れています
本棚に追加
/27ページ
あれから、ちょうど一年が経とうとしています。
サンゴの産卵のときに満月だったお月さまは、今は三日月の形をしていました。
三日月よりもちょっと太めかもしれません。
ちょうどそのシルエットと色が、何かを彷彿とさせます。
急に、その三日月よりは大きいような月を、分厚い雲がおおいました。
ここ数日、雨が降り続いていましたが、今夜もまた、雨が降ったのです。
しかしその雨は、これまでのしとしと雨とは違い、雷を鳴らしながら大粒の雨を落とす激しいものでした。
雨は数分で止み、ふたたびきいろいお月さまが顔を表します。
お月さまのちょうど真下では、海にお月さまの双子のもう一方が現れていました。
そのお月さまは、私のぽっかりと空いた穴を埋めてくれる光です。
そしてその光から、よりきいろに輝く光が現れたのです。
最初のコメントを投稿しよう!