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「私のことが?」
「なんか私に似てるなって思ってた。顔とか、体格とか、声とか、ふとした仕草とか」
「こんな地味な根暗が真紀に似てるわけないと思うけど」
「そんなことない。香菜は私と違って、自己評価が低すぎ」
眠気など吹っ飛んだのか、真紀は私の腕を揺さぶりながら言う。
「実際、香菜は私に間違われるほどそっくりになったでしょ。それは、きっと私みたいに胸を張って歩くことを覚えたからだよ」
誇らしげな表情の真紀に、何度も考えた疑問が浮かぶ。
私を真紀そっくりに変えてくれた理由がやはり分からない。
彼女は一体、なにを求めていたのだろう。
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