憧れ色に濡れた唇

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よくよく状況を整理してみるとやはり不自然だ。 突然こうして私に構うなど、普通に考えておかしい。   きっと彼女は私物を勝手に使った気持ち悪い同級生に、お仕置きでもするつもりなのだ。 今も浮かれている私を、陰から彼女の友人たちが笑っているに違いない。   少しでも彼女が私と友達になりたいなどと思ったことが恥ずかしくなる。 「明日も一緒にご飯食べようね」   それでも、この夢のような時間が本当であってほしいと願ってしまう私は、すでにおかしくなり始めているのかもしれない。
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