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教室を出て食堂へ向かう。
そういえば、朋ちゃんは他の子たちに昨日のことを、私の言い訳どおりに話したのだろうか。
いつものように、食堂の片隅に集まって食事をする友人たちの顔に変わった様子はない。
たわいのない話をしながら、時々笑い声があがる。やはり、居心地の良いこの空間が私の居場所だ。
ただ、誰も私の変化に触れてくれない。
眼鏡やおろした髪のことを、似合っているとも、似合ってないとも誰一人言ってくれない。
髪型を変え、色付きのリップクリームを塗って登校するだけで、どれだけ緊張したことか。
朝の私の心境など知らずに、朋ちゃんたちはいつもと変わらない様子だった。
それが、少しだけだが腹立たしい。子供のように拗ねている自分が嫌で仕方ない。
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