小さな変身

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きっと朋ちゃんたちは、私や真紀と違っておしゃれに興味がないのだ。 だから私の変化にも気づかないに違いない。   そう思うと、なんだか彼女たちと急に話が合わない気がしてきた。 親しいはずの彼女たちと一緒にいるのが、初めて楽しくないと感じた。   大好きな友人たちとの距離が遠い。 気づいたとたんに、退屈で、退屈で仕方が無くなってくる。 「香菜! 探したんだからね」   弁当の箸が進まずにいると、背後からはつらつとした少女の声がした。   振り返らなくても分かる。 肩に手が触れて振り返った瞬間、鬱屈とした気分が吹き飛んだ。 「真紀」   呼びかけると、彼女は嬉しそうにほほ笑む。 それとは反対に、隣にいた朋ちゃんの表情が曇った。
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