「夏がきた」

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田舎で山に入ることは、クマや鹿と遭遇する危険を意味する。現にぼくは何度も愛犬に命を助けられたことがある。 愛犬プチのリードは外しておく、クマや鹿がいたらそちらに向かって突撃し追い払う。 野生動物は犬の気配だけで身を隠す。 おかげで野生動物に僕は襲われたことはなかった。 プチは100mほど小走りで先に進み、戻ってくる。「大丈夫クマはいなかった」とぼくに教え、また先へ行くのを繰り返す。 ぼくがどこへ向かっているかは知っているので、その場所まで女王陛下を守るMI6のように僕を護衛する。 墓地にたどり着くとその周辺の木に大量のカブトムシがみっしりしがみついている。その墓地はぼくが偶然発見したカブトムシが取れる穴場なのである。
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