8人が本棚に入れています
本棚に追加
そうだった。
彼は昔からこんなに不器用で照れ屋で、優しかったんだ。
男の子がそのまま男に成長したんだ。
もう、意地悪なくらいだよ。
「大好きな青色は、ふたりで見た空の色かなあって。でも男同士だから目立たないけど青色な」
「本当だ、中に……」
「一応、ペアです。はいっ」
向こうを向いたまま、『そんな高くないけどな』って手を見せてくれた。
「本当にペアだ……ぶっ、ふふふ」
笑い出した俺を見て、やっぱり照れ臭そうだ。
「もう!また大好きを増やすのな」
「そう?」
「うん……大好き。今も昔もね。はあ……目茶苦茶大好きだ」
俺はアイツの肩に抱きつき、『今日は頑張れそう?』と囁いた。
最初のコメントを投稿しよう!