スイーツ好き

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スイーツ好き

私は無邪気に、スイーツを頬張る。「おいしい!」私が考える女の品を損ねない程度に。ただし、計算と無礼講を交えながら。 「もう少し食べてみようかな」 本心と、ここにも計算がある。彼は手を叩く。 「すごいな。どんどん食べなよ。おごるよ」 ニヤリ。こんな彼でよかった。 「いいの? じゃ、次はマカロン」 女の憂うつ。体重計に乗った瞬間。彼ははっきり言っている、「よく食べて、運動する女性がいいな」彼を操ってばかりじゃない。愛の駆け引きってそうでしょう? こうしてバランスが成り立つ。私の場合、スイーツと運動は両極だ。 腹筋運動とテニスを始めた。彼を自分の為に、引き留めておく努力だ。 「お腹引き締まったか、見せてよ」 「やらしいよ!」 上着の裾を引っ張る彼。もう、本当に。 「結婚するんだろ? 僕たち」 こんな彼となら、まあいいかな。その後は、どうやって操ってやろうかな?
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