1 好きの前なのに

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朝目覚めると 「あれ……?」 ヤシンの姿はどこにもなく、テーブルに 『仕事が立て込んでいるので、名残惜しいですが帰ります』 というメモだけが置いてあった。 「…仕事立て込んでるのに、こんな所まで来てるんじゃねぇぞ」 あのヤシンがどうやって運んだのか、俺はきちんとベッドに寝かされていて、下半身にも衣服が着けられていて、恐らく俺の中に出されたであろうものも、綺麗にされていて……。 「俺、なんで目が覚めないんだ!」 不覚不覚不覚! されたい放題されて、とっとと帰られた! なんで仕事立て込んでるのに来たんだよ!なんであんなことして、とっとと帰るんだよ! 『大好きです、カバネさん』 なんで俺ドキドキしてんだよ!なんであんなことさせたんだよ、俺! なんで目覚めた時にあいつがいなくて寂しいんだよ…。 「俺……こんな気持ちは、なんなのか分からない。こんな俺分からない」
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