2 好きと気づいたら…

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ヤシンと一線を越えてしまってから、3ヶ月の時が経った。 それなのに! あの日から、ヤシンは俺の前に現れない! 「どういうことなんだ…あれはからかっていただけなのか?」 ここはあの村からも比較的近い場所で、いつもなら、拠点を変えると必ずと言っていいほど、俺の前に現れていたのに! 全く来ない!手紙のひとつも来ない!でも援助物資的なものは、定期的に来る…。 あの日から、あの時のヤシンの言葉も、俺にした行為も、ずっとずっと頭から離れなくなって、恋愛小説とか買ってきて、貪るように読んだが、俺のこのモヤモヤした物の正体は分からないし!あいつ来ないし!←どうしてもここに行き着く 人間の体ってやつは、あの時のヤシンがしたように触れば、誰だってあんな風になるのだ!と自分で何度触ってみても、 「何も感じない…特に気持ち良くない…」 あの時のあの溶けるような、思わず求めるような感覚はなんだったのか…。 しかし、ヤシンは俺の事を出会った時から、そういう目で見ていたと言うが、俺はあの頃どう思っていたのか。 とにかく俺は魔物から師匠を解放したかったのと、両親の仇討ちしか頭に無くて、でも思い返せば、あの頃からヤシンは色々親切だったな。 俺が食事とか無頓着なのが分かると、食事を作りに来たり、差し入れしてくれたり、掃除に来たり、服を持ってきたり………あれ?今とあまり変わりなくないか?? 俺ってそんなにヤシンに心許してたっけ?
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