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僕は、時折目の前のモニター画面に視線をやりながら、帳簿の整理をしていた。
モニターに、映し出されているのは、この大陸の地図。その地図上には1つの赤い点が動いている。
色々な場所を巡っている時に知り合った人達から、この周辺では手に入らないような、探知機や発信機、盗聴器を手に入れ、それを使えるように電波塔なども設備した。←カバネの為には金も惜しまず
全ては僕のかわいいあの人に、すぐに会いに行くために。いつでもあの人の声を聞くために。
「今回は随分と遠くまで行ってしまったんですね。これでは会いに行くのは難しいな…」
こんなに会いたくて仕方がないのに。
諦めきれなくて、手帳を開いてスケジュールを見直ししてみるけど、どうにもあの人の所まで行く時間が取れない。
僕は窓の外を見ながら、あの人と出会った時のこと、この村で一緒に過ごしたことなどを思い出した。
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