いつまでもここにいて

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「※※、※※※」 「※※※、※※※※※」  さっきは熊だったが、こちらも人になっている。  男に組み敷かれた碧馬を見てにやにやと楽しげな笑いを見せる。思わず逃れようと暴れた。すると男はつかつかと寄ってくると、碧馬の頬をいきなり張った。 「嫌だっ、離せって」  伸びてくる手から逃れようと碧馬は必死に暴れた。  でも無理な話だ。すでにマウントを取られて大きな男二人を相手に逃げ出せるわけはなかった。  どれだけ叫んでも助けなんか来るはずはない。  ここはどこか違う世界だ。  パニックになりながらもそれだけは理解した。  男の手や舌が体中を這いまわり、悔しさと憤りで涙があふれた。  足を抱えあげられて開かれ、碧馬は「嫌だーーーーーーっ」と絶叫した。うるさいとばかりにまた頬を殴られ、ぐったりしたとき、急に声がした。 「そこで何を騒いでいる?」  落ち着いた低い声だった。
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