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「ここで?」
「ああ。3階に個室がある。一部屋をイノマタアオバにやるから使うといい」
「俺、ここで何をしたらいいんですか?」
ただで置いてもらうわけにもいかないだろうと訊いてみた。
「イノマタアオバは日本では何をしていた?」
「高校生だったけど」
リュカは何かわからないといった表情になる。
「ええと、学生です」
「学生…、学者の卵か? それとも占星術師か?」
この世界では学生という身分は一般的ではないらしい。
「いえ、普通の学生…」
碧馬が小中高と学校に通い、さらには大学まで行く場合もあることを説明すると、みんな驚いた顔になった。
「22歳まで学校に行くって?」
「そんなに長く何を学ぶんだ?」
どうやらかなり日本とは事情が違うようだ。
「学校ないんですか?」
「あるが、10歳から12歳で卒業する。仕事をせずにその先に進むのは占星術師か呪術師か魔道士か、いずれにしても師に弟子入りして学ぶものだな」
その説明に碧馬はさらに途方に暮れた。
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