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「運命の番が異世界人ってこともあるのか」
「ああ、俺も驚いた。でもあの子を見たときから、胸の中がざわざわするんだ」
「でもあの子、まだ子供だろ?」
「いや、17歳って言ってた」
「は? 17歳? もう成人してるのか」
ガルダが目を見開く。
成人年齢は16歳だが、碧馬は14、5歳に見えた。
「いや、成人はまだらしい、アオバの世界では」
自警団に来るまでの道で、リュカはいくつかの質問をしてみたのだ。
「おまけに、あの子には自分がΩだという自覚がない」
「は? 自分の性を知らんのか?」
「というよりも、どうやら男女の区別しかない世界らしい」
ガルダは眉を寄せてリュカを見た。
「男女の区別だけ? α、β、Ωがいないのか?」
「そうらしい」
ガルダの困惑した様子に、リュカもうなずいた。
「でもあの子、Ωの気配がしたんだろ?」
「ああ、気をつけてやらないと。発情期はまだらしい」
リュカは森の中で交わした会話をガルダに伝えた。
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