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「うなじを噛まれるとその相手と番になるんだ。アオバの意思とは関係なく」
「え…? 番?」
「そうだ。一生、その相手としか性交できないし、恋愛も結婚もできない」
一体何を言っているんだろう。
性交?
恋愛?
結婚?
ぽかんとする碧馬にリュカは、さらに丁寧に説明をしてくれる。
「昨日、熊族に襲われかけただろう」
「うん」
「熊族は嗅覚が鋭いんだ。だから通常ならわからない微かなΩの香りに気がついて、あんなことになった」
あの二人は熊族のα男性で、碧馬が放つ微かなΩの香りで誘惑されたのだという。
「誘惑なんてしてない!」
憤慨する碧馬にリュカは真剣に言い聞かせた。
「わかっている。でもこれはΩの特性で、アオバの意思とは関係ないんだ。もし意に染まない相手に襲われてうなじを噛まれたら番にならざるを得ない。そうならないために、これをつけておいて欲しいんだ」
生生しい話に碧馬は顔色を青ざめさせて、じっとリュカを見上げた。
「無理強いされて番になるのは不幸だ。発情期だと妊娠する可能性が高いし」
「は? 妊娠…?」
碧馬は理解を超えた単語を聞いて、目を丸くした。
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