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時には一緒に食事をしに出かけたり、市場の買い物にも誘ってくれる。
リュカの好意はストレートで碧馬を好きだと最初から隠そうともしなかった。周囲にも当然バレバレだったが誰も気にした様子はない。
この世界では男女でも同性同士でも本当に構わないのだ。
信じられなかったが、男同士の番や子連れの家族を目の当たりにしては、もう否定することはできなかった。
常識の違いが実感できるようになったころ、碧馬も自分の気持ちに気がついた。
もしかして、俺もリュカが好きなのか?
リュカが来ると嬉しくて、顔を見たらドキドキして、頭を撫でられたりハグされるとカーッと顔が熱くなる。
やさしく頬にキスされることもある。
そんなとき碧馬はどうしていいか分からず、真っ赤になるだけだ。
そんな碧馬をリュカは優しい瞳で見つめてあまく微笑む。するとますます心臓はバクバクと音を立てて、碧馬はどうしていいかわからなくなる。
どうしよう。俺、リュカを好きなのかも。
自覚したけれど、碧馬はその気持ちを抑えようとした。
好きになってもどうしようもない。
だって相手はケンタウルスだ。
人じゃない。
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