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立ち上がろうとしたが、足首に痛みが走って立てなかった。
夢なのにこういうことだけは現実的なのか。
階段から落ちた設定はそのままらしくて、上靴を履いている。顔をしかめて足首を確かめた。ねん挫したのか腫れていた。
どうしたらいいんだろう。
これが夢なら、自分の意識が戻るまでここで待っていればいいんだろうか。
それとも本当は打ち所が悪くてもう死んじゃったとか…?
いやいや、まさか!
自分の想像の怖さにぶるっと体を震わせたとき、後ろから音が聞こえた。
はっとそちらに顔を向ける。
がさがさと茂みをかき分ける音がして現われた人物に碧馬は息を飲んで目を見開いた。目の前にいたのは、大きな熊だった。しかも服を着ている。
何をどう考えていいかわからず、碧馬は声もなくその場にへたり込んだままだった。
「※※※※! ※※※※※!」
何か話しかけられたが、意味はわからない。
強い語調からあまりよくない感じを受ける。
ここにいてはいけなかったんだろうか。
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