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いやそれより服を着た熊が話してるっておかしいだろう!
「※※※※※※、※※※※※※!」
「やめろ、俺に触るなっ」
熊の手が伸びてきて、碧馬は身を竦めて叫んだ。
殺されるっ。
とっさにそう思い、草の上を転がって逃れる。
熊は目を瞬いた。
抵抗されるとは思わなかったという表情に見える。
その時、横からまたガサガサと音がして、すこし小柄な熊が現れた。
やはり服を着ていて、リュックのようなものを肩にかけている。碧馬を見て、首を傾げた。思いがけないものを見てきょとんとしたという雰囲気だ。
ここの熊には人のような感情があるらしい。
一体、どうなっているんだ。
体を起こして、足首の痛みに耐えて立ち上がる。
走れそうにないが、逃げられるだろうか?
熊は何か会話を交わし、碧馬を見た。
うなずいて後から来たほうが木の向こうへ去っていく。
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