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そして数日後、精密検査の結果が出て、両親が説明のため呼び出された。
本当は気づいていた。ただの睡眠不足ではない。けれど心配はかけたくなかった。できるだけ笑顔でいた。
帰ってきた両親の顔は複雑で、一瞬で全てを察した。
「もう、長くないの?」
笑顔を作った。
「大丈夫、きっと方法はあるから、きっと、まだ、」
涙をこらえている母の顔に胸が締め付けられた。
父から話を聞くと、心臓がどんどん機能しなくなっており、もう1年生きられるかわからないと言われたらしい。
死ぬって、死にたいって、なんだろう。まだやりたい事が山程ある。死ぬのが、怖い。
「だったら、最後くらい楽しくやりたいことやりたい。」
両親と医師の承諾を得て、最後の1年やりたい事をした。
チャラチャラしてみた。やり過ぎで退学になった。
定期検診をサボった。医者と親に怒鳴られた。
学校を変えた。真面目に生きてみた。
つまらなかった。何をしても空っぽだった。
気がつくと屋上にいた。あぁ、そうか、死にたいってこの事か。心が軽くなった。足を踏み出そうとした瞬間に
ドアが空き、女の子が入ってきた。なぜか、駄目だと止められた気がした。
可愛らしい華奢な女の子。キラキラしている目。
俺もこの子みたいに楽しい人生だったらなと羨ましく思った。
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