7,最後の日のこと。

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あぁ、楽しかった。それだけ、最後に残った。 そして、気がつくと路上にいた。やけに目線が低くて、寒い。声が出ない、なんだ、どこからか猫の声がする。 あ、俺だ。猫になってる。 輪廻転生って言うけど、本当にあるんだなー。 数日間、いや数ヶ月間? 雨に晒され、人気のない道路に置いて行かれ。 たまに通る少女が気になった。 助けてあげたいけどそれどころじゃないような顔をしていた。 そして結局、公園で拾ってくれたその少女が 俺が愛していた、彼女だった。 どこまで神様は優しいんだ。 気づかれなくてもいい。猫でもいい。近くにいれたならそれでいい。 毎日のように泣いてる。俺が慰めなきゃ。 この本好きだったな、持っていこう。 朝だ、起こさなきゃ。 やっぱり、引きずってた。 俺の事忘れてって書いたのに、でも、いつか時間が解決してくれる。 数年暮らしていると、男の影はパッタリ無いものの、あの頃みたいに幸せそうな目をしてる。 良かった、きっと忘れられたんだ。 割り切ることができたんだろう。最後まで、どこまででもついていこう。 彼女を愛してやろう。 何年経っても、何になっても、ずっと、最後まで。 そう、誓った。     
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