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涙を流しながら、蒼の首筋を噛み血を吸う紅。 貧血により肌は真っ白になり、幽霊のようになりながらも、紅の背をそっと撫でる蒼。 「……これ以上吸ったら、蒼が死んじゃうかもしれないのにどうして!止められない……嫌だよ、蒼を殺したくない……」 甘美な血。 一度吸ってしまえばやめられなくなる、依存性。 殺したくない、愛する人の血は、甘美すぎて。 残酷なまでに、紅を虜にしていった。 「……いいよ、紅になら、殺されても」 半分吐息のような声で、蒼が言う。 紅の背を撫でる手は、徐々に弱々しくなり。 やがて、だらりと垂れ下がる。 「……紅、愛してる」 眠るかのようにすっと倒れ、命の灯火を消した蒼。 冷たくなったその肌を温めるように、紅はただ亡骸を抱きしめる。 愛する人の亡骸を、抱きしめる。
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