ナツ、襲来!

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 一週間後、まるで何事もなかったかのように〝ナツ〟は過ぎ去り、NATU委員会の解散とともに特命担当大臣の任を解かれた夜具内は、涼しい夕風の吹く河原の道を歩きながら、遠くオレンジに染まる入道雲を見上げ、ふと思う。 「〝ナツ〟って、いったいなんだったんだろうな……」  あれほどあの暑さに苦しめられたというのに、どこかぽっかり胸に穴の開いたような喪失感を感じる夜具内の耳に、さびしげな秋の虫の声が河原の草叢から聞こえていた。 (ナツ、襲来! 了)
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