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分かるだろうか。
全てにおいて余計なお世話以外の何物でも無いというのに、当の本人達は末っ子の言葉に時に涙し、時に勇気づけられ、末っ子様万歳とばかりに末っ子を御神輿に座らせてわっしょいわっしょいするのである。
なぜ皆気付かない。あれはただの末っ子の暇つぶしに良いようにことを運ばされているだけなのである。
そんな末っ子の誕生日である。
それは最早フェスの領域。
古今東西の末っ子信者の皆々様が一斉に集い、末っ子のありがたさについて答弁をし、まるで神への供物かの如くプレゼントを貢ぐ。
山のようなプレゼントに囲まれ、末っ子はその中心でっきゃあきゃあ言われながらはっぴばっすでぃを謳われるのだ。
断じて僻みなどではない。断じて。
そのばーすでぃフェスへの招待状は毎年届く。
兄さん達のいない誕生日なんて考えられない。
と、眼をうるうるさせるのである。
無論その表情は特に両親には効果絶大。
行ってあげないとかわいそうじゃない!と母は微笑み、
仲睦まじい男兄弟は何て素晴らしいんだ。と父は目尻を煌めかせる。
この世に末っ子の魔力から逃れられるものはいないらしかった。
出席は最早確定してしまったとして、問題はプレゼントである。
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