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俺は何もかも手にしている末っ子にびた一文やりたくない。
断じて僻みではない。断じて。
大体男兄弟が男の弟に対して何をやれば良いというのか。
何をやったとしても気色悪いではないか?
下着、もってのほか。
洋服、却下。
漫画、かさばる。
他にもあれこれと思いつきはするものの、
何せ何十人と集まるばーすでぃフェスである。
俺が思いつくようなものは他の信者にも思いつく。
別に被るのが嫌とか。そういうんじゃない。断じて。
兄さんの気持ちだけで十分だよと末っ子はほほえむ。
このパーフェクトな弟よ。兄はその言葉に甘んじるつもりは甚だ無い。
別に負けた気持ちになるとかそんなんじゃない。
なんとしても他にはない、かといって末っ子の度肝を抜くようなプレゼントをしてみせる。
あの性悪悪魔が心から改心し、兄万歳三唱を唱えるような斬新かつマストなプレゼントである。
来る日も来る日も俺はプレゼントについて考えた。
斬新なアイデアという雷がこの身を打ち貫くのをひたすら待ち続けた。
そして、ついにその雷は我が身を迸らせた。
ケーキだ。そう思った。
ケーキの中に隠れ、はっぴばっすで合唱のタイミングでアグレッシブに飛び出してくれる。
そして末っ子の驚愕し尻餅をつく姿をこの目と、スマホに収めてくれよう。
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