兄のヒントは僕にしか解らないよ

1/1
7人が本棚に入れています
本棚に追加
/12ページ

兄のヒントは僕にしか解らないよ

 好きな事やりたい事、子供の頃は何にも縛られずにいられた。大人になると柵だらけで息が出来ないと兄は言っていた。  そして僕が中学生に上がって直ぐ、兄が社会人になって三年目の春、兄が行方不明になった。  僕は何時も兄が話してくれていた冒険譚が大好きだった。例え作り話でも小学生の頃の僕から見ても兄はとても楽しそうに話してくれていたから、一緒になってドキドキハラハラしてた。  ある日、一通の手紙が届いた。差出人は兄で消印は行方不明になる前日だった。内容は今でも忘れられない。「異世界で長期間やらなきゃいけない事が出来たから暫く帰れない」と。  勿論両親は信じていなかった。自殺する言い訳だと手紙を破り捨てた位だ。でも僕はーー。  小宮山健人(こみやまたけと)  主人公。手紙に書いてあったヒントを元に、異世界入り口を見つける。そして行方不明になった兄を探しに異世界へ旅立つ。兄に鍛えられた身体能力と思考の柔軟性の高さから魔法を覚えるのに役立った。  小宮山直紹(こみやまなおつぐ)  主人公の兄。社会人になってからは冒険譚を話す機会が少なくなっていたが、主人公の誕生日には必ず手土産として語っていた。ある日行方不明になる。  マスコット  異世界で最初に出会った不可思議な生き物。モフモフしており、主人公の枕がわりに使われている。  奴隷の女の子  とある街で主人公が偶然手に入れた奴隷。実は兄の事を知っており、兄の言付けを預かっていた。  お師匠様  洞窟暮らしの隠居爺い。旅の途中で主人公に出会い、類稀なる才能を見抜き無理矢理弟子入させる。実は大魔法使いの一人で、密かに自分が産み出した魔法を継承させようとしている。  魔王  人族から毛嫌いされている魔族の王様的立場。実は兄の知り合い、というか親友だった。  ドラゴン  ダンジョンの奥で暇していた三百歳の雌。主人公に出会い、外の世界へ飛び出す。というか物理的に飛び出してダンジョンを破壊した。  王様  人族の頂点。魔族を目の敵にしており、何時か根絶やしにしようと目論んでいる。  第三王子  王様とは似ても似つかない聖人君子。母親が王様の駄目な所を真似させない様に努力した結晶。  冒険者ギルド  毎回無理難題の依頼を主人公に押し付けて来る。過去兄に散々良い様に弄ばれていた様で、軽い嫌がらせで憂さ晴らししている。  宿屋の看板娘  主人公と同年代で街の情報通。何か困った事が有れば彼女に聞くと、大抵の解決手段を教えてくれる。
/12ページ

最初のコメントを投稿しよう!