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あの心優しい横塚先輩をけんもほろろにあしらった(……かどうかは知らないけど、彼女の性格だと多分そう)あの女王様には、絶対目に物見せてやらなきゃ。
「横塚先輩がどう思っていてもいいの。私にとっては大事なレポートなんだもん。とにかく、あそこにあの人の名前が割り込むのは嫌」
「……正気?ホントにあの園崎先輩と勝負するの?」
ハナちゃんは信じられないという顔。バスケ部のハナちゃんが認めるくらいだから、園崎先輩は本当にすごい人なんだろう。それでも私は「やる。絶対やる」と強気に宣言し、だから練習付き合って、と頼み込んだ。
ハナちゃんは無謀すぎる、としぶりつつも結局、私の熱意に負け、コーチ役を引き受けてくれた。
「やるからには勝つよ」と腹を括った彼女は、私のために作戦も立ててくれた。
「3ポイントを狙いなよ。ゴール下じゃ向こうが圧倒的に強すぎて何もさせてもらえないだろうし、多分おたまの実力じゃ、そこまでボールを持って行くことすらできない。でも少し離れたところからなら、もしかしたらシュートくらいできるかもしれない」
もちろん、3ポイントシュートなんて、ゴール下からのシュートに比べれば難易度は段違いだし、運動音痴の私はこれまでの人生の中、一回も決めた事が無い。
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