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「あの人なら、バスケ部にも顔出したことあるから私も知ってる。うちの先輩が『今さっき来てた彼って、去年私がふったのに、いまだにノート貸してくれたり、優しくしてくれるんだよね』とか言ってたから」 「……」 「あの先輩が優しいのは『おたまに』じゃなくて『誰にでも』なんだよ、きっと」 私としてはあんまり聞きたくないエピソードだったけど、だから、もうおしまいにしなよ、ってハナちゃんは多分、言おうとしている。いつまでもウジウジしている私の気持ちを切り替えてあげようとして、彼女なりに気を遣ってくれているんだ。 その証拠に、ハナちゃんは私の頭をぽんぽんと優しく撫でてくれた。 「ほら、飴でも食べるかい?」 「うん、食べる!」 私もカラ元気を出して、ハナちゃんの餌付けに応じた。
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