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―――だけどさぁ、ハナちゃん。部活のたびに顔を合わせるのに、諦めるってのは難しい話なんだよね。 「たま、ちょっと待った。それは混ぜるとガス出るから、ドラフトの中でやって」 「はーい」 今日もいつものように始まった週1回の化学部の活動で、いつものように一緒に実験をし、いつものように先輩の後にくっついて飼い猫のたまになっている私。 先週の部活が終わった後に私が告白しちゃったから気まずい空気になるかと思ったけど、先輩は今まで通り接してくれるし、私も極力気にしてない風を装って、今日はいつもより明るく振る舞っている。 「あぁ、手にかからないように気を付けてな」 先輩はどんくさい私を心配して背後に立ち、覗き込むようにドラフトの中の私の手元を見守ってくれた。こーいうとこ、ホント優しい。 背が高くて、物腰が穏やかで、声が低くてカッコよくて、実験用の白衣が似合っちゃって……そうなの、性格だけじゃなくて、その他全部が私の中ではほぼ満点なんだ。 ……あぁ、でも、私じゃダメなんだよね。先輩にとっての私は、あくまで”仔猫のたま”だからさ。 「―――お疲れ様」 「あぁ、園崎」     
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