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 お父さんは1人で声を出して笑った。 「……散歩にでも行くか?」 「行かない。勉強する」 「はは、そうだよな……」  夜の闇はもう怖くない。深夜への憧れは成長と共に消えてしまった。父親と2人で散歩だなんて、想像出来ない。万が一近所の人に見られて噂になったら。そう考えるだけで嫌だった。だから行かない。私はもう、子どもではないのだ。 「結衣が小学生の頃、夜中に散歩に行っただろう。お父さん、本当に自分が恥ずかしかった。仕事仕事で、近所への散歩で満足して喜ぶなんて、何してるんだろうって思ったよ」 「喜んでないよ。気を遣っていただけだし」 「……だよなぁ。遊びに行きたかったよな」
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