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幼馴染の家にやってきた。今年もそろそろアイツが目覚める時期だからだ。
原因不明の奇病で眠りについてから、早五年。それから毎年、なぜか最も暑い日にアイツは目覚める。そして約一週間起き続けた後、また眠りにつくのだ。
目覚める正確な日時はわからない。だから、時期が来たら、こうして毎日訪ねることにしている。仕事で毎日はずっと側にいられない、アイツの両親の代わりという話もある。
「んっ…」
お、目覚めるようだ。さて、何から話してやろうか。お前が寝ていたこの一年、いろいろあったぞ。一応は在籍している高校での出来事を含めてな。でもまあ、最初はアレだろう。せっかくの夏だからな。
「…あ、おは、よう…」
「ああ、おはよう、ねぼすけ」
「…またそれ? もっと他にないの?」
「あるわけないだろ。さて、それじゃあ早速」
ドサッ
「夏休みの宿題、片づけようか」
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