11月

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「ポッキーゲームをしましょう」 「……いや、しません」 「いえ、やります」 お昼休み。休憩室でご飯を食べ終えた私の前で真剣な顔でマジなトーンで、なんとも馬鹿げた提案をしてくる男がひとり。 黒縁眼鏡をするりと右手の中指で上げ涼しげな表情で吐き出された言葉に思考が停止する。 彼の食べたご飯に何か入れられていたのではと、疑いたくなるようなその言葉に開いた口が塞がらない。 販売の仕事をしている私のお昼休みは日毎にバラバラで。今日はたまたまこの人とお昼の時間がかぶっただけ。 営業中もそりゃ話をしたりはするし、仲が悪いわけではないのだけれど仕事の休憩中にポッキーゲームをするような仲では決してない。 「知らないのですか?」 「なにを、でしょうか……」 突然の彼の提案にタジタジになりながら今度はどんな爆弾発言をしてくるのかと身構える。
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