11月

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とりあえずなんでもいい。ポッキーゲームをしなくてもいい方法を考えなければ。 「あ、あの!ポッキー懐かしいですね。私、大人になってから久しくポッキーなんて食べてないです」 「僕もです」 「私もいただいていいですか?」 「もちろんです。いまからポッキーゲームをするので」 自然な流れでポッキーをそのまま食べる方向へ持っていこうとしたが、秒で失敗に終わる。 丁寧に。男の人にしては綺麗な指でポッキーの箱を開けていく彼。どうしてこの人はそんなにもポッキーゲームがしたいのだろうか。 ポッキーゲームって、あれですよね。口で咥えて両側から食べていくあれですよね。どうして、私がこの人とそれをやらなければならないのか。 彼はたしかにかっこいい。真面目で仕事もできて素敵だとは思う。 でも、だからこそ、こんなことを言ってくることに驚きを隠せない。 「はい、どうぞ」 赤い箱の中から赤い小包装の袋を取り出した彼はそれをひとつ私に差し出した。 いらないって言ったら失礼なのかな。なんて考え、受け取らずに見つめていれば「どうぞ」と催促をされもう受け取らざるを得ない状況に追い込まれる。
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