6月

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広げられたオレンジ色の中に、彼と私だけ。 すると、彼はぽつりと呟いた。 「お前を呼んだ意味ならあるよ」 「……」 「だってお前がいなかったら、相合傘して帰れないだろ」 「……え」 「今日は相合傘をして帰りたいっていう俺の、下心」 「……なに、それ」 「ダメですか?」 「……しょうがないな」 不意に。はい、俺の勝ち。とでも言うように彼はゆるりと笑った。 私の顔には熱が集まって仕方がない。本当にこれだから私はどうしたって、彼に振り回される。 image=511156702.jpg
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